Web人材のキャリアアップを支える

Webライターのための面接対策ガイド｜志望動機から準備まで徹底解説

2025-10-24

面接に苦手意識を持たれているWebライターの方は少なくありません。確かに、面接に慣れていないと緊張したり、何を話せばよいか分からず不安になる気持ちはよくわかります。

ですが、企業がWebライターに対して行う面接には、王道の流れやよく聞かれる質問例があります。そのため、Webライター側が事前に対策をすれば、好印象を与える事は実は難しくありません。

本記事では、Webライターに対して企業が行う面接の流れや企業側がチェックするポイント、代表的な質問例をご紹介します。

また、面接で言わない方が良いことや好印象を与える行動例についても、企業でWebライターの採用をした経験を持つ私が公開しています。

面接に苦手意識があるWebライターを脱却するためにも、ぜひ最後までお付き合いください。

企業のWeb担当者で発注担当者のケンジ

Web系クリエイターに仕事を依頼する企業の発注者責任者

早稲田大学卒。2015年からWebライターとしてWeb業界にデビュー。最初はライターとして年間200記事超えのペースでコンテンツ作成を担当。

その後、コンテンツディレクター、Webメディア運営の責任者にキャリアアップし、累計12のWebメディアをグロースさせる。現在は人材・教育系の会社でWeb事業部での責任者を務め、Web系フリーランスの方々にお仕事を発注している。

自身も現役のWeb人材であると共に、累計で100名程のWeb系職種の方と大なり・小なりのお仕事をしてきた事からWeb系人材のキャリア形成に精通している。

基本的なWebライターの面接の流れ

Webライターの面接は、一般的な企業の採用面接と比べてシンプルなことが多いです。しかも、Webライターに対して企業側が行う面接の流れは、ある程度パターン化されています。

一般的な面接の流れについてこれからご紹介しますので、ぜひご覧ください。

Webライター面接の基本的な流れ

Webライターの面接は、多くの場合以下のような流れで進行します。

ステップ	内容	ポイント
① 面接開始・自己紹介	面接官と挨拶を交わし、簡単な自己紹介を行う	笑顔で丁寧に話し、第一印象を良くする
② 経歴やスキルの確認	これまでの経験やスキル、得意ジャンルについて確認される	スムーズに話すためにも、経験やスキル、得意ジャンルについて事前に簡単に整理しておく
③案件への志望動機の確認	なぜ、今回の案件に応募をしたのかを聞かれる	これまでの経験やご自身の興味関心と、今回の案件の関連性を伝える
④業務内容の説明	クライアントが求める仕事内容や記事の方向性を説明される	メモを取り、疑問点は後で質問する
⑤質問タイム	応募者が面接官に質問する	報酬や納期、修正回数やライティング時のルールなど、不明点があれば確認する
⑥テストライティングの案内	実力を判断するための執筆課題が出されることがある	指示をしっかり確認し、丁寧に仕上げる
⑦面接終了・結果連絡	面接終了後、合否連絡の時期について説明される	お礼を伝え、当日または翌日にお礼メールを送ると印象が良くなる

基本的な流れの補足

先ほど一覧にしました、企業がWebライターに対して実施する面接の流れの補足を各ステップごとに行っていきます。

①面接開始・自己紹介

Webライターの面接は、対面よりもオンラインで行われることが多いため、最初の挨拶が重要です。カメラをしっかり見て笑顔で「本日はお時間をいただきありがとうございます」と伝えると、好印象を与えられます。

また、自己紹介は1分以内を目安に、氏名・経歴・応募の理由を簡潔に話すようにしましょう。

②経歴やスキルの確認

面接では、過去の経験やスキルについて質問されることが多いです。回答の際には、聞かれている質問に端的に答えると共に今回の案件にどのように活かせるのかについても触れられると理想的です。

ただし、Webライティングの経験がある場合と、完全に未経験の場合で適切な伝え方が異なります。

Webライティングの経験がある場合

経験者は、得意ジャンル・ライティング歴・具体的な実績を明確に伝えましょう。

＜例＞

「Webライターとして〇年間、主に〇〇（例：金融・美容・IT）ジャンルの記事を執筆してきました。〇〇メディアでは累計〇〇本の記事を担当し、検索順位1位を獲得した記事もあります。

また、取材記事やSEO記事の執筆経験もあります。今取り上げたような経験があるため、御社の案件と親和性が高いと思い、応募をしました。」

具体的な数値や実績を交えると説得力が増し、即戦力としての印象を与えられます。また、さりげなく、応募した案件とのマッチ度が高い事についても言及すると面接官に好印象を与えられます。

完全に未経験の場合

未経験者は、過去の職務経験と応募案件のジャンルとの関連性を示し、「活かせるスキルや経験がある」と伝えることが大切です。

＜例＞

「前職では保険会社で営業を担当しており、お客様への説明資料を作成していました。この経験を活かし、今回の案件のテーマである保険ジャンルの記事を分かりやすく伝えられると考えています。」

以上のようにライティング以外の経験やスキルが案件と相性がよい事が伝わるようにしましょう。

③志望動機の確認

志望動機を伝える際は、「なぜ今回の案件に応募したのか」を明確にすることが重要です。応募した案件の特性と自分の経験・興味関心の関連性を示すと、説得力が増します。

＜例＞

「これまで〇〇に携わっていた経験を活かした記事を書きたいと思い、応募いたしました。

貴社の案件では、専門的な記事の制作が求められているようですので、私のこれまでの知識と経験を活かせる環境だと感じております。」

案件の内容や執筆する記事のテーマと自身のスキルや経験がマッチしている事を伝えると、採用されやすくなります。

④業務内容の説明

クライアントから、記事の方向性や業務の詳細について説明があります。以下の項目は特に重要なため、メモを取りつつ確認しましょう。

執筆する記事の種類（SEO記事・取材記事・レビュー記事など）
執筆時のルール（文体、トンマナ、ガイドラインの有無）
1記事あたりの目安の文字数や単価
納期やスケジュール（1週間あたりの本数）
報酬の支払い方法・振込タイミング

不明点は後の質問タイムで確認し、仕事の内容や条件面でのミスマッチを防ぎましょう。

⑤質問タイム

業務内容の説明を受けた後には、不明点を確認するための質問タイムが設けられていることが多いです。

質問タイムを有効に使えば、仕事内容のミスマッチを防げる上に業務をスムーズに進めるために必要な情報を得ることもできます。

質問タイムで聞いておきたい代表的な確認項目を一覧にしてみましたので、ご覧ください。

確認項目	質問の仕方の一例
報酬条件	「記事単価・文字単価の変更はありますか？」「記事1本の報酬単価や文字単価はいくらですか？」
納期・本数	「1週間あたりで求められる執筆本数や執筆する記事の納期はどのようになっていますか？」
1記事の目安の文字数	「各記事の目安の文字数は規定されていますか？」
ライティングルール	「作成する記事のフォーマットや執筆時のガイドラインは事前に共有されますか？」

業務開始後のトラブルを避けるためにも、疑問点はこのタイミングでしっかり解消しておきましょう。

⑥テストライティングの案内

企業によっては、Webライターのスキルを確認するためにテストライティングを実施する場合があります。

テストライティングを受ける際は、以下の項目については事前に確認しておきましょう。

質問項目	詳細
期限	「提出期限はいつまでですか？」
文字数	「1記事あたりの文字数の目安はありますか？」
執筆ルール	「SEO対策やフォーマットの指定はありますか？」
修正対応	「テストライティング後に修正依頼が入る可能性はありますか？」
報酬の有無	「テストライティングに報酬は発生しますか？」
不明点の確認先	「執筆を進める中で不明点が生じた際には、どこにご連絡を差し上げればよいでしょうか？」

今取り上げた項目以外にも提出後のフィードバックの有無や、合否連絡のタイミングについても確認しておくと安心です。

テストライティングを受ける際の動き方

テストライティングを受ける意思を伝えた後は、指定された期日までに記事を執筆し、納品します。

私自身がテストライティングの採点官をしていた時には、期日と品質のどちらかに問題があった場合は、問答無用で落としていました。

そのため、期日を守った上で最高の記事を納品することが、テストライティングの突破の秘訣です。

その上での話になりますが、打診されたテストライティングの報酬条件等が意に沿わない場合は条件を交渉したり、辞退することも可能です。

しかし、テストライティングを引き受けない場合、選考の辞退と見なされて不採用になる可能性が高いです。そのため、採用されたいのであれば、テストライティングは企業側が求める条件で受けるのが無難です。

テストライティングのより詳しい詳細や企業側がチェックするポイントについては、以下のページでまとめております。
» Webライター必見！テストライティング突破の秘訣

⑦ 面接終了・結果連絡

面接終了時には、「本日はありがとうございました」と感謝を伝え、丁寧に退出しましょう。オンライン面接では、面接官が通話を終了するのを待つか、「退出させていただきます」と一言添えるのがマナーです。

また、面接当日～翌日までにお礼メールを送ると誠実な印象を残せます。結果は1週間以内に通知されることが多いですが、1週間以上経っても連絡がない場合もあります。

その場合は、「選考状況をお伺いしてもよろしいでしょうか？」と丁寧に問い合わせましょう。焦らず落ち着いた対応を心がけることが大切です。

面接本番日までに行っておきたい事前準備

面接に向けて事前に準備をすることは、企業に採用される確率を高めます。そこで、面接に臨むWebライターが面接日までに準備をしておきたい主なポイントをご紹介します。

ポートフォリオを準備する

ポートフォリオというのは、Webライターとしての経験や実績やスキルをまとめた資料のことです。

Webライターとしての活動状況や積み上げた実績をまとめた履歴書や職務経歴書みたいなものだと思ってください。

面接時にポートフォリオを提出すると、文章力や得意ジャンルを具体的にアピールできるので、採用率の向上に繫がります。

ポートフォリオには実績やスキルをまとめるのが一般的ですが、経験や実績がほとんどない状態でも作成自体は可能です。

Webライターとしての実績が不十分な状態でポートフォリオを作成する方法についてはまとめてみましたので、ご覧ください。

作成方法	詳細
ブログを書き、作成した記事をまとめる	自分の得意ジャンルで記事を書き、ブログに掲載してポートフォリオに追加する。
練習で作成した記事をまとめる	商品紹介や体験レポートやブログ記事を練習で執筆し、執筆した記事を見れるURLを掲載する。
過去に引き受けた案件をまとめる	クラウドソーシングやSNS経由で執筆した記事を、掲載許可を得た上でポートフォリオ化する。

ポートフォリオはクライアントにあなたの実力を正しく伝えるためにも、内容を見やすく整理しておくことも大切です。

実力の証明ができるポートフォリオの有無は採用されるかどうかに直結するので、ぜひ準備しましょう。

事前に志望理由を明確にしておく

面接の場で「なぜ今回の案件に応募したのか」を具体的に説明するためにも志望理由を伝えられるように準備しましょう。

事前に志望理由を整理しておくことで、面接官に熱意を伝えやすくなり、採用の可能性を高めることができます。志望理由を整理するために以下を心がけましょう。

整理痔のポイント	回答の一例
なぜこの案件に興味を持ったのかを明確にする	例：「〇〇（例：金融・美容）ジャンルの仕事をしてきた経験があるため、専門知識を活かせると考えました。」
これまでの経験やスキルと案件の関連性を示す	例：「前職で〇〇の業務に携わり、分かりやすく情報を伝える力を培いました。」
案件を通じてどのように貢献できるかを伝える	例：「専門知識を活かし、正確で読みやすい記事を作成することで、読者の理解を深めるコンテンツ作りに貢献したいと考えています。」

事前に志望理由を整理しておくことで、面接でも自信を持って説明でき、好印象を与えられます。

企業側に響く自己PRを事前に整理しておく

Webライターは、面接の前に企業側に響く自己PRを整理しておきたいです。

自己PRでは、過去の実績や保有しているスキルをもとにあなたの強みを企業に伝える事が重要になります。

そのため、企業が求める実力があることをご自身の経験や実績と結びつけた形でアピールをしたいところです。

企業側に響く自己PRを考える方法

Webライターが企業側に響く自己PRを考える際に心がけたいポイントをまとめましたので、ご覧ください。

ポイント	補足
企業が求めるスキルを把握する	募集要項やライターの募集ページの要件を確認し、企業が重視するライティングの特徴を理解する。
自身の経験や強みと結びつける	「過去に引き受けた○○の案件で学んだリサーチ術をいかして正確な情報を提供したい」といった形で、過去の経験と即した形で伝える。
具体化と数値化を意識して伝える	「SEOを学び、運営ブログで〇〇PV達成」といった形で、数値や具体的な結果を交えてあなたの実力を分かりやすく伝える。

上記のポイントを意識した上で、「どう企業に貢献できるか」が伝わるようにすれば、より効果的な自己PRになります。

事前に企業のサイトを見ておく

面接前に企業のサイトを確認しておくことをおすすめします。面接前に企業のサイトを確認すれば、事前に以下の情報を把握できるので、面接時により適切な受け答えができるようになります。

得られる情報	各情報の詳細
記事の方向性	企業のメディアが「専門性重視」なのか「初心者向け」なのかを確認し、どのような読者をターゲットにしているか把握する。
求められるライティングスタイル	文体、トンマナ、記事構成、記事の文字数を確認するようにする。事前にチェックすれば、どんな記事を書けるWebライターを求めているかの予測ができる。
今後の展開予測	メディアの更新頻度や直近で執筆している記事のジャンルから、今後どのような記事をどのようなペースで公開するのかが予測できる。

事前に企業のサイトをチェックすることで、面接時に面接担当者に好印象を与えられる受け答えがしやすくなります。

結果として採用確率も高まりますので、面接前に企業のサイトを確認するようにしましょう。

オンライン面接の練習と面接環境の準備

面接に臨む前に、「面接の練習」と「オンライン面接の環境の準備」の両方に取り組みましょう。

なぜなら、面接の練習と面接環境の準備を事前にしておくだけで、面接本番で大きな失敗をする可能性を下げられるためです。

事前に取り組んでおきたい代表的な準備項目をまとめてみましたので、ご覧ください。

準備項目	詳細
マイク・カメラのチェック	事前に動作確認を行い、音声や映像がクリアかを確認する。
背景と服装の確認	シンプルな背景を選び、清潔感のあるオフィスカジュアルを着用する。
話し方と姿勢の練習	カメラ目線を意識し、ゆっくりと明瞭に話す練習をする。
家族への協力依頼	面接の時間帯は静かにするように伝え、面接中に生活音や雑音が入らない状況を整える。
パソコンを充電しておく	面接途中に電源が切れないように、事前に電源の残量が十分になるまで充電をしておく。

これらを事前に行えば、面接官にしっかりしている印象を与える事に繫がる上に、面接官の印象を悪くするリスクを下げられます。

Webライターが面接中に言わない方が良い事とやってはいけない事

Webライターの面接では、適切な受け答えをすることが重要ですが、言わない方が良い発言ややってはいけない行動もあります。

何気ない一言や態度がマイナスな評価に繫がる事もあるため、注意が必要です。

ここでは、面接で避けるべきポイントを「言わない方が良いこと」と「やってはいけないこと」に分けて解説します。

言わない方が良いこと

面接中の発言は、採用の合否に大きく影響します。特に以下のような発言は避けましょう。

「とりあえず応募しました」や「なんとなく興味があった」
「未経験なので、まずは学ばせてください」
「納期の延長は適宜認めてもらえませんか？」
「他の仕事が忙しいので、柔軟な対応は難しいです」

それぞれの詳細について、これから解説します。