Webライターとして働く中で、収入の不安定さや案件獲得の大変さから、「会社員に戻ったほうがいいのでは?」と悩んでいませんか?
一方で、一度フリーランスになったからこそ、「会社員に戻るのは恥ずかしい」「正社員として採用されるのだろうか」と不安になることもあるはずです。
結論から言うと、Webライターから会社員に戻ることは十分に可能です。 しかも、戻り方を間違えなければ、Webライター時代の経験はむしろ強い武器になります。
私自身、Webライターとしてキャリアを始めた後、コンテンツディレクター、Webメディア責任者、Webマーケターへとキャリアを広げてきました。
さらに、ライターとして関わっていた企業から社員オファーをいただいた経験もあります。
この記事では、Webライターから会社員に戻ることは恥ずかしいことなのか、どんな戻り方があるのか、戻るメリット・デメリット、そして転職時に注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
Web系クリエイターに仕事を依頼する企業の発注者責任者
早稲田大学卒。2015年からWebライターとしてWeb業界にデビュー。最初はライターとして年間200記事超えのペースでコンテンツ作成を担当。
その後、コンテンツディレクター、Webメディア運営の責任者にキャリアアップし、累計12のWebメディアをグロースさせる。現在は人材・教育系の会社でWeb事業部での責任者を務め、Web系フリーランスの方々にお仕事を発注している。
自身も現役のWeb人材であると共に、累計で100名程のWeb系職種の方と大なり・小なりのお仕事をしてきた事からWeb系人材のキャリア形成に精通している。
目次
Webライターから会社員に戻ることはできる?
結論から言うと、Webライターから会社員に戻ることは可能です。
なぜなら、Webライターの仕事は単に文章を書くだけではなく、情報収集、読者ニーズの整理、構成作成、クライアントとのやり取り、納期管理など、会社員としても評価されやすい実務を含んでいるからです。
つまり、Webライター経験は「文章を書いていた経験」だけではなく、情報を集め、整理し、相手の目的に合わせて形にしてきた経験として伝えることができます。
そのため、会社員に戻る際は、単に「Webライターをしていました」と伝えるのではなく、以下のように具体的な業務内容や成果まで説明しましょう。
- 「月に〇本の記事を納品していました」
- 「SEO記事で検索上位を獲得しました」
- 「構成作成から執筆、CMS入稿まで対応していました」
- 「クライアントのメディア運営を継続的に支援していました」
- 「記事制作だけでなく、キーワード選定やリライトの提案も行っていました」
以上のように、Webライター時代に何をして、どんな成果を出し、それを会社でどう活かせるのかまで伝えられれば、Webライター経験は立派な職務経験になります。
会社員に戻ることは恥ずかしいことではない
Webライターから会社員に戻ることを「負け」や「失敗」と感じる人もいます。
しかし、働き方は人生の状況に合わせて変えてよいものです。独立した当時はフリーランスの働き方が合っていても、収入の安定や将来設計を考えたときに、会社員のほうが向いている状況になることもあります。
登山でも、天候が悪くなれば一度ルートを変えますよね。それは逃げではなく、安全に登り続けるための判断です。キャリアも同じです。
Webライターを続けることだけが正解ではありません。参考までに、Webライターとして身につけた経験を活かせば、次のような選択肢も取れるはずです。
- 会社員に戻って生活を安定させる
- 編集者やSEO担当を目指す
- コンテンツマーケターへのキャリアチェンジを目指す
- Webメディア運営やディレクション側に進む
会社員に戻ることもWebライターを続けることと同様に選択肢の1つになります。そのため、会社員に戻ることを恥ずかしいと思う必要はありません。
Webライターから会社員に戻るメリット
Webライターから会社員に戻る大きなメリットは、生活が安定しやすいことです。
フリーランスの場合、案件が切れれば収入も減りますし、完全に0円になることもあります。それに継続案件があっても、単価交渉、請求、営業、スケジュール管理、税務対応などを自分で行う必要があります。
一方、会社員は毎月の給与があるため、家賃や生活費の見通しを立てやすくなります。それに自ら営業をせずとも仕事があることも本当に素晴らしいことです。
それに会社員には年次有給休暇があります。もし、体調が悪くなっても有休を利用すれば給料をもらいながら休みを取ることができます。
万が一、大きな病気やケガをして長期で働けない際にも休職制度を利用すれば、休業手当がもらえることもあります。
毎月の収入に不安を感じている方、営業が苦手な方、体調を崩した際に収入がなくなることが怖い方にとって、会社員に戻ることはかなり有効な選択肢です。
Webライターから会社員に戻るデメリット
一方で、Webライターから会社員に戻るデメリットもあります。
一番大きいのは、自由度が下がることです。
Webライター時代は、フルリモートで働けたり、自分のペースで仕事を進められたりした方も多いと思います。
午前中に病院へ行って、午後から執筆する。平日に休んで、土日に少し働く。そうした働き方ができるのは、フリーランスの大きな魅力です。
しかし会社員に戻ると、勤務時間、出社日、会議、社内ルールに合わせる必要があります。
また、会社では「自分がやりたい仕事」だけを選べるわけではありません。記事を書きたいと思って入社しても、実際には数値管理、社内調整、外注管理、上司への報告、資料作成が多くなることもあります。
ただし、これは悪いことばかりではありません。
会社の中で働くことで、個人では経験しにくい大きな予算、チーム運営、マーケティング施策、事業戦略に関われる可能性があります。
Webライターから編集者、SEO担当、Webディレクター、コンテンツマーケターにキャリアを広げたい方にとっては、むしろ会社員に戻ることで見える景色が広がることもあります。
Webライターから会社員に戻る王道の方法
Webライターから会社員に戻る方法はいくつかあります。代表的なパターンをご紹介します。
前職への出戻り
Webライターが会社員に戻る代表的なパターンの1つ目は、フリーランスになる前に勤めていた会社へ戻る方法です。
前職での評価が悪くなかった場合、いわゆる出戻り転職ができる可能性があります。会社側も、まったく知らない人を採用するより、過去に働きぶりを知っている人のほうが安心しやすいからです。
過去に働いていた会社の上司や同僚に連絡をし、面接などのセッティングをしてもらい、無事に内定が取れれば会社員に戻れます。
しかも、年収については、過去に働いていた時の金額が考慮されることもあるので、過剰に低い金額を提示されずに済む可能性もあります。
会社員に戻りたいのであれば、選択肢として考えておきましょう。
ライター経験を活かせる会社への転職
次に、Webライター時代の経験を活かせる仕事に転職する方法です。
具体的には、正社員ライター、編集者、SEO担当、広報、コンテンツマーケターなどが候補になります。
Webライターとしてキーワード選定やSEO記事制作に関わっていた人は、Webマーケティング職との接点を作りやすいです。
なぜなら、SEO記事の作成等でキーワードを検索する人のニーズを考える経験を踏めば、キーワードマーケティングの素養が磨かれるためです。
私自身、Webライターの時に対策キーワードの検索意図を考えた経験があったので、企業のSEO担当者として就職ができました。
また、広報・PR担当は、自社ホームページやPR誌などを通じた情報発信、プレスリリースや説明資料の作成等を担います。
文章を書くことが多い仕事なので、Webライターとして記事を書いていた経験が役立ちます。
取引先に就職をするのも手
Webライターが会社員に戻る際におすすめの選択肢の3つ目が、「ライターとして関わっていた企業に就職する方法」です。
これはかなり現実的な方法です。
なぜなら、すでにその企業はあなたの仕事ぶりを知っているからです。納期を守る、修正対応が丁寧、提案ができる、事業理解がある。
こうした信頼が積み重なっている場合、求人に応募するよりもスムーズに社員化の話が進むことがあります。
実は私自身、記事を納品していた企業に就職し、その会社でメディア運営の責任者やWebライターの管理を担当しました。
取引先の社長も取引先の社員のことも知っていたので、人間関係の構築もしやすかったです。
Webライターとして働いていた時の信頼関係が役立つので、チャンスがあれば取引先への就職は考えておきたいです。
会社員に戻る際に狙いたい職種
Webライターから会社員に戻る場合、これから取り上げる職種を狙うのがおすすめです。
編集者
編集者は、企画、原稿の整理、校正、著者やライターとのやり取り、納品された原稿のブラッシュアップを担当します。
Webライターとして多くの記事を書いてきた人は、「良い記事とは何か」「読みやすい構成とは何か」を現場で学んでいます。その経験は編集者として活かしやすいです。
SEO担当者
SEO担当者は、検索上位を狙うためにキーワード調査、競合分析、記事改善、サイト改善などを行う仕事です。
Webライター時代にSEO記事を書いていた人は、SEO担当との相性が良いです。
SEO担当者を目指す際には、「SEO記事を書けます」と伝えることに加えて、「検索順位を上げるために何を考えていたか」「どんな改善提案をしたか」まで話せるようにしておきましょう。
そうすれば、SEO担当者としての素養の高さを伝えることにつながります。
広報
広報は、企業の情報を社外・社内にわかりやすく伝える仕事です。
プレスリリース、採用広報、オウンドメディア、社内報、SNS運用など、文章力が求められる場面が多くあります。
文章で人に伝える仕事をしてきたWebライターにとって、広報はかなり相性の良い転職先です。
コンテンツマーケター
コンテンツマーケターは、記事、ホワイトペーパー、メール、導入事例、SNS、動画などを使って、見込み客との接点を作る仕事です。
単に記事を書くのではなく、「誰に」「何を伝え」「最終的にどんな行動につなげるか」を考えます。
Webライターとして読者の悩みを考えてきた経験は、コンテンツマーケティングでも役立ちます。
正社員ライター
文章を書く仕事を続けたいなら、正社員ライターも選択肢です。
ただし、フリーランス時代と異なり、会社の方針やトンマナ、事業目標に合わせて書く必要があります。
自由度は下がりますが、安定収入を得ながらライティングを続けられる点は大きな魅力です。
会社員に戻る前にWebライターの仕事は整理しておく
会社員に戻ると決めたら、一度Webライターの仕事を整理しましょう。
会社員に戻った後も、以前と同じ量の案件を抱えたままだと、かなり苦しくなります。日中は会社の仕事、夜はライター案件、土日も執筆となると、最初はよくても長く続きません。
そこで、次のように整理をしておきたいです。
- まずは、単価が低く負担が大きい案件の終了を検討する。
- 次に、信頼できるクライアントには早めに会社員復帰を伝える。
- そして、続ける案件は月1本や月2本など、無理のない量に絞る。
また、副業としてWebライターを継続することをお考えであれば、必ず就職した会社の就業規則も確認しておきましょう。
副業可の会社でも、競合企業の仕事や、本業に支障が出る働き方は禁止されていることがあります。予期せぬトラブルに巻き込まれないためにも、きちんと確認することが大切です。
転職活動ではWebライター経験を成果で語る
Webライターから会社員に戻るときに重要なのは、経験を成果で語ることです。
「Webライターをしていました」だけだと、採用担当者は評価しにくいです。一方で、次のように伝えると印象が変わります。
- 「SEO記事を月20本ペースで執筆していました」
- 「担当記事が検索上位を獲得しました」
- 「LPの文章の改善に取り組み、CVRを1.5倍にまで上げました」
資格や前職の経験とライター経験を掛け合わせると強い
Webライターになる前に、別の職種や特定の業界で働いていたかもしれません。
営業、事務、人事、経理といった職種だけではなく、金融、不動産、教育、ITといった業界経験もライター経験と掛け合わせることができます。
たとえば、保険会社での勤務経験がある場合、保険の選び方に関するメディアを運営する企業に就職する際に武器になります。
他にも教員資格がある場合、受験情報や幼児教育について発信しているWebメディアを運営している会社の採用を受けるのも手。
以上のように、会社員に戻る際には、Webライターとしての経験やスキルだけで勝負する必要はありません。
「前職の経験×Webライティング×保有資格」のように、自分だけの掛け合わせを作ると、職場候補の選択肢が広がります。
会社員に戻る時の注意点
会社員に戻るときに注意したいのは、「収入の安定度」だけを見て転職先を選ばないことです。
収入の安定は大切ではありますが、仕事内容がまったく合わない会社に入ってしまうと、苦しくなります。
入社する企業や選考を受ける企業を決める
会社員に戻った後に後悔しないためにも、最低でも内定承諾前、できれば選考の際に確認したいのが、次の点です。
- 仕事内容はWebライター時代の経験とつながっているか
- フルリモート勤務や出社と在宅勤務のハイブリッド勤務が可能か
- 入社後に副業が可能であるか
- 入社時の給与水準は納得できるものであるか
- 今住んでいる場所からストレスなく通える距離であるか
- 残業時間は現実的か
- 会社の事業内容に興味を持てるか
- 直属の上司はどんな人であり、同僚はどんな人なのか
- 会社の社風が自分に合っているか
今取り上げた9つのポイントがすべて希望に合う職場は少ないです。
しかし、大多数の項目があなたの希望に即しない場合、会社員になってから後悔する可能性が高いです。
そのため、どの項目を満たしているかを確認するようにしましょう。
採用面接の場では、ポジティブな印象を与えることを心がける
会社員に戻るために受けることになる面接の場では「なぜフリーランスを辞めたいのですか?」と聞かれることがあります。
このときに、「収入が不安だからです」だけで終わると、少し弱く見えることがあります。なぜなら、生活の安定のために入社したいことは伝わるものの、入社後に何をしたいのかが伝わらないためです。
おすすめは、次のように前向きに伝えることです。
「フリーランスとして記事制作やクライアントワークを経験する中で、個人ではなくチームでメディアや事業を伸ばす仕事に関わりたいと考えるようになりました」
「ライティングだけでなく、SEO、編集、コンテンツマーケティングまで領域を広げたいと考え、事業会社で腰を据えて働きたいと思いました」
このように伝えると、会社員に戻る理由が「逃げ」ではなく「キャリアアップ」に見えます。
Webライターから会社員に戻るなら、まずは棚卸しから始めよう
Webライターから会社員に戻りたいなら、最初にやるべきことはキャリアの棚卸しです。
いきなり求人に応募するのではなく、まずは自分が何をしてきたのかを書き出しましょう。
- 担当したジャンル
- 執筆本数
- 継続案件の数
- 対応した業務範囲
- 検索上位を獲得した記事
- クライアントから評価された点
- ディレクションやリライトの経験
- 使えるツール
- 前職の経験や資格
これらを書き出すと、自分が思っている以上に経験があることに気づくはずです。
Webライターは、ひとりで仕事をしている時間が長い分、自分の実績を過小評価しがちです。
ですが、企業から見ると、納期を守り、情報を調べ、読者にわかりやすく伝え、クライアントとやり取りしてきた経験は十分に価値があります。
あなたのやってきたことを正確に伝えるためにも、Webライター時代に行ってきたことを棚卸ししましょう。
今回の内容のまとめ
- Webライターから会社員に戻ることは十分に可能であり、会社員に戻る選択をすることは決して恥ずかしいことではありません。
- Webライター経験は、文章力だけでなく、情報収集力、構成力、SEOの知識、納期管理、クライアント対応など、会社でも評価される実務経験として伝えられます。
- 会社員に戻る代表的なメリットとして、毎月の収入が安定しやすく、生活設計を立てやすくなることがあります。
- 一方で、勤務時間や社内ルールに合わせる必要があるため、フリーランス時代より自由度が下がる点には注意が必要です。
- Webライターから会社員に戻る方法としては、前職への出戻り、ライター経験を活かせる会社への転職、取引先への就職などがあります。
- Webライター経験者が会社員に戻る際に狙っておきたい職種には、編集者、SEO担当、広報、コンテンツマーケター、正社員ライターなどがあります。
- 転職活動では「Webライターをしていました」だけでなく、執筆本数、検索上位の実績、対応範囲、前職の経験や資格との掛け合わせまで具体的に伝えましょう。
改めての話になりますが、Webライターから会社員に戻ることは、キャリアの後退ではありません。
働き方を見直し、自分に合った環境でこれまでの経験を活かすための前向きな選択肢です。