「今月はいくら入るんだろう」
「来月も同じだけ仕事をもらえるんだろうか」
Webライターとして働いていると、毎月の収入や仕事量が読めない不安に押しつぶされそうになる瞬間があると思います。
会社員のように決まった固定給が発生するわけではない以上、単発の案件しか受注できない場合、毎月のように営業をしなければなりません。
しかも、無事に案件を受注しても企業側から案件終了の連絡が突然入るリスクを常に抱えることになります。
収入面において明らかに不安定な状態である以上、Webライターとして働く中で「もっと生活を安定させたい」と思うこともあるはずです。
この記事では、Webライターが単発案件に振り回される状態から抜け出し、収入と仕事量を安定させるための現実的な考え方をお伝えします。
Web系クリエイターに仕事を依頼する企業の発注者責任者
早稲田大学卒。2015年からWebライターとしてWeb業界にデビュー。最初はライターとして年間200記事超えのペースでコンテンツ作成を担当。
その後、コンテンツディレクター、Webメディア運営の責任者にキャリアアップし、累計12のWebメディアをグロースさせる。現在は人材・教育系の会社でWeb事業部での責任者を務め、Web系フリーランスの方々にお仕事を発注している。
自身も現役のWeb人材であると共に、累計で100名程のWeb系職種の方と大なり・小なりのお仕事をしてきた事からWeb系人材のキャリア形成に精通している。
Webライターの生活が不安定になりやすい構造
Webライターとして安定したいのであれば、Webライターの生活が不安定になりやすい原因を知ることが欠かせません。
そこで、現役の企業の発注者の立場でWebライターの生活が安定しにくい根本的な原因をお話しします。
契約上、企業側に振り回されやすい特性がある
Webライターの収入が安定しにくいのは、企業と結んだ契約内容が原因であることが大きいです。つまり、あなたのせいではない側面があります。
Webライターの仕事の多くは、企業との業務委託契約です。
正社員のように毎月決まった給与が振り込まれるわけではなく、「1記事いくら」「月に何本依頼する」といった形で仕事が発生します。
しかも、企業がWebライターに依頼する記事数は、企業側の都合で変わります。たとえば、以下のような事情です。
- 企業側がオウンドメディアに予算を使える時期には、記事作成の仕事が増える
- 企業側がメディア運営よりも広告に力を入れる際には、Webライターへの仕事の依頼は減らされる
- 社内に記事を書ける社員が入社した場合、外部ライターに依頼する仕事が完全になくなる
- 記事制作の成果が出ていないため、メディアの更新をストップし、仕事がなくなる
Webライター側からすると、企業側の事情に振り回されるのは理不尽に感じられるかもしれません。
しかし、企業との契約形態が案件単位の業務委託契約であれば、Webライター側は企業側の都合に振り回されやすい構造がどうしてもできやすくなります。
以上のように、Webライターとして働く中で収入や仕事の量が安定しないのは努力よりも契約内容をはじめとした構造的な問題が原因であることが多いのです。
AI時代には普通のWebライターの単価は下がりやすい
ここもかなり、現実的な話をします。
生成AIの普及によって、「AIでも書けるような記事」しか書けないWebライターの単価は、今後さらに下がりやすくなると思います。
すでに、簡単な記事構成、一般的な解説記事、まとめ記事、FAQのたたき台などは、AIでも作れるようになっています。
企業側からすると、AIで下書きを作り、社内で編集する選択肢もあります。
私が実情を知っている複数の企業は、記事執筆にAIを利用していることを公表しており、ライターの募集も減らしているようでした。
加えて、外部ライターの募集を行う際には、低い案件単価に定めても応募が殺到するようでした。
そのため、ただ情報を集めて、無難にまとめるだけのWebライターであれば、今後も単価が下がることが想定されます。
発注者にとって、Webライターは「大切な仲間」でありつつ「取引先の1つ」でしかない
Webライターとして活動していると、継続的に依頼してくれる企業に対して、強い思い入れが生まれることがあります。
ただし、企業側の事情の現実も知っておいてください。
企業側から見ると、Webライターは大切なパートナーである一方で、取引先の1つでしかない側面もあります。
取引先の1つである以上、よりよい記事を書いてくれる人が現れれば、その人に依頼したくなります。
それに、同じ品質の記事を、より安く、より早く、より手間なく納品してくれる人がいれば、取引先を乗り換えることもあります。
これは冷たい話に聞こえるかもしれません。ですが、企業は基本的に「成果」と「コスト」と「手間」で発注先を判断します。
そのため、Webライターとして安定的に仕事を掴み続けるためには、他のWebライターよりも費用対効果が高いと思われ続けることが重要になります。
生活を安定されるために、絶対に押さえておきたい心得
Webライター生活を安定させるためにも、1社専属を避ける
Webライター生活を安定させたい人の中には、1社から毎月まとまった仕事をもらえる状態に憧れる人も少なくありません。
たとえば、1社から毎月30万円の案件をもらえるとします。30万円分の仕事を安定してもらえるのは、一見すると収入的にかなり安定しているように見えます。
しかし、1社専属の働き方は収入の安定度の面で課題があります。
なぜなら、その1社の方針変更、予算削減、担当者変更、メディアの運営停止によって、収入が一気に消える可能性があるためです。
Webライターにとっての仕事の安定とは、「1社からたくさんの仕事をもらうこと」ではありません。
本当の仕事の安定というのは、「1社切れても生活が崩れない状態」を作ることです。たとえば、月30万円を目指すなら、以下のような状態のほうが現実的には安定します。
- A社:月8万円
- B社:月7万円
- C社:月5万円
- D社:月5万円
- E社:月5万円
この状態なら、仮に1社との取引が止まっても、収入がゼロにはなりません。
もちろん、取引先が増えると管理は大変になります。納期管理、請求管理、コミュニケーションも増えます。
それでも、Webライターとして生活を安定させたいなら、最低でも5社程度の取引先を持つ意識はかなり大切です。
企業の売上アップに貢献する姿勢を見せ続ける
企業でWeb関係の部署の管理職をしている立場で衝撃的な話をします。
実は記事を書くだけのWebライターは、企業がコストカットをする際に、真っ先に削減対象になりやすいです。
売り上げに繋がらないWeb記事は真っ先に削られる
企業の業績が悪くなったとき、まず見直される費用の1つに外注費があります。実はWebライターに仕事を依頼する際にかかる費用も外注費の1つになります。
日本の解雇規制の問題で企業は社員の解雇は難しいので、業績悪化に伴いコストカットの必要性に迫られた際には、外注費の削減に取り組まざるを得ない都合があります。
特に売り上げに繋がらないWeb記事への投資は減らされます。つまり、企業の売り上げアップに直結しないWeb記事ばかりを書いているWebライターは非常に不安定な存在になってしまうのです。
そのため、、Webライターとして安定を目指すのであれば、「ただ記事を書いている人」ではなく、「売上に貢献している人」になる必要があります。
参考までに売り上げ拡大に貢献しているWebライターであれば、そのライターへの支出を止めることが売り上げの減退に繋がると判断される可能性があります。
その場合、企業側はコストカットの対象からそのライターとの取引を外し、コストカットをしている中でも取引の継続がなされる可能性が高いです。
売り上げ貢献につながる行動例
- 企業のビジネスを考え、お客さんを集める事につながる記事の執筆を行う
- 記事の中で、企業のサービスの紹介ができる箇所があれば、サービスリンクを貼る
- 企業のサービスの集客に繋がるキーワードで上位表示させる記事を作る
- 企業の集客対象の顧客像に合わせた記事を書く
- 作成すれば売り上げアップに繋がる記事があれば、適宜作成の提案をする
発注者は、売上に近い視点を持ってくれるWebライターを手放しにくいです。
逆に、言われたことだけを書くWebライターは、代替候補が見つかれば切り替えられやすいです。そのため、Webライターとして安定するためには、文章力だけでなく、ビジネス視点を持つことが重要です。
安定したいWebライターは、記事を書く以外のサポートもできるようになったほうがいい
Webライターとして安定したいなら、「記事を書く人」から少しずつ役割を広げることをおすすめします。つまり、記事しか書けない人から脱却する事を意味します。
記事しか書けない人から脱却するためにも、Web記事の執筆以外のスキルが求められる業務にも取り組めるようになりたいです。業務の一例は以下の通りです。
- SEOキーワードの選定
- 記事構成案の作成
- 他のWebライターが書いた記事の編集や校正
- リライト対象の記事の洗い出し
- CMS入稿
- アイキャッチ画像の作成
- 内部リンク設計
- Googleアナリティクスやサーチコンソールを使った簡単な分析
- ホワイトペーパーやメルマガの作成
- SNSアカウントの運用
こうした業務ができると、企業側から見たあなたの価値は上がります。
発注者としては、「この人に頼めば記事制作以外のこともまとめて任せられる」と感じるからです。
たとえるなら、ただ料理を作る人ではなく、献立を考え、買い出しをし、栄養バランスまで考えてくれる人になるイメージです。
他のWebライターよりも幅広い仕事に取り組んでくれるWebライターは、変えの利く単なる1つの外注先とは見られなくなります。
そうなれば、幅広い仕事を任されるようになるので、収入面で安定することに繋がります。
収入を安定させたいなら、月額契約やセット提案を自分から出す
Webライターの収入を安定させたいなら、企業からの依頼をただ待つのではなく、自分から仕事の提案をすることも大切です。
特におすすめなのが、月額契約やセット提案です。たとえば、以下のような提案です。
- 月4記事制作プラン
- 月2記事+既存記事2本リライトプラン
- 月4記事+サーチコンソール簡易分析プラン
- 記事構成作成+本文執筆+CMS入稿セット
- 月額10万円で記事制作まわりをまとめてサポート
条件交渉というと、「1文字◯円を上げてください」と考える人が多いです。
もちろん、それも大切です。
しかし、収入を安定させたいなら、単価アップだけでなく、契約期間や発注本数を安定させる提案も重要です。
たとえば、通常1記事3万円のところを、月4本セットなら1本2.6万円にする。
ライター側は少し単価が下がりますが、毎月10万円以上の売上が見えやすくなります。企業側も、まとめて依頼できるので発注の手間が減りますし、コストを抑えられます。
これは、ライターにも企業にもメリットがあります。
もちろん、安売りしすぎる必要はありません。ただ、毎月の収入を安定させるという目的がある場合であれば、「単価を少し下げてでも継続契約を取りに行く」という考え方はかなり現実的です。
継続して取引してくれる企業は、多少単価が低くても大切にしたほうがいい
Webライターとして少し実績が増えると、「もっと高単価の案件だけ受けたい」と思うようになります。その気持ちは分かります。
ただし、安定を優先するのであれば、多少単価が低くても、継続して取引してくれる企業は大切にしたほうがいいです。
たとえば、単価はそこまで高くないけれど、毎月必ず依頼してくれる企業。連絡が丁寧で、支払いも遅れず、こちらの事情も理解してくれる企業。
こういう取引先は、Webライターにとってかなり貴重です。
もちろん、高単価案件を狙うことは大切です。
しかし、収入を安定させたい場合であれば、「高単価の単発案件」と「そこそこの単価の継続案件」のバランスを考える必要があります。
私なら、安定を目指すWebライターには、継続案件を土台にして、その上に高単価案件を積み上げる形をおすすめします。
生活費を支える案件と、収入を伸ばす案件を分けて考えるイメージです。
Webライターとして安定するために、今日からやるべきこと
| アクション内容 | 詳細 |
|---|---|
| 取引先を分散する | 1社に依存している場合は、早めに新しい営業先を増やします。最低でも5社程度の取引先を持てると、1社からの依頼が減っても収入が大きく崩れにくくなります。 |
| 継続に繋がる提案をする | 単発納品で終わらせず、次に狙えるキーワード、リライト候補、月4本ペースでの制作提案などを行います。そうすれば、発注者に「成果につながる提案ができる人」と見てもらいやすくなります。 |
| 記事制作の周辺スキルを身につける | SEO、リライト、GA4による分析、 サーチコンソールの操作術、CMS入稿、画像選定、導線設計などを覚えることで、任せてもらえる仕事の幅が広がります。 |
| AIを活用する | AIを避けるのではなく、生産性を高めるために活用します。AIによって業務効率が上がれば、単価が下がっても時給ベースでの収入はむしろ上がる可能性もあります。 |
全てを一度に行うのは難しいかもしれませんが、1つでも行えばWebライター生活の安定度が上がります。
そのため、安定を求めるのであれば、まずはどれか1つは実践してみましょう。
どうしても不安定な生活が苦しいなら、会社員との二刀流も選択肢
最後に、フリーランスのWebライターとしての不安定な生活に疲れている人へ伝えたいことがあります。
どうしても毎月の収入不安が苦しいなら、会社員に戻ることも選択肢に残すことにしましょう。
会社員として安定収入を得ながら、土日などにライターやマーケターとしての仕事を続ける。この形は、精神的な安定をかなり作りやすいです。
会社員に戻ったからといって、Webライターとしてのキャリアが終わるわけではありません。
企業の中でマーケティング、SEO対策、広告運用、ディレクション、採用広報、オウンドメディア運営などを経験すれば、ライターとしての価値も上がります。
一度会社員に戻り、会社で働きながら継続案件の受注を目指したり、スキルアップに取り組むのはポジティブな選択になります。
無理にWebライター一本で生きる道に固執することなく、ご自身や家族の生活を守りながら、幸せに働ける選択肢を選ぶことが重要です。
まとめ:Webライターの安定とは、仕事が切れないことではなく、切れても倒れない状態を作ること
- Webライターの仕事量は、企業側の予算やメディア運営方針によって変動する
- 業務委託である以上、1社だけに依存する働き方は安定とは言いにくい
- 安定したいなら、最低でも複数社との取引を持ち、収入源を分散させることが大切
- 単発案件だけでなく、月額契約やセット提案を行い、継続的な仕事につなげる意識が必要
- 発注者に「この人に任せると楽だ」と思われる仕事の進め方が、継続依頼につながる
- AI時代には、AIでも書ける記事の単価は下がることをきちんと頭におくようにする
- どうしても不安定さがつらい場合は、会社員とライターの二刀流も現実的な選択肢になる
Webライターとして安定するために大切なのは、「突然1社との契約が切れても生活が崩れない状態」を作ることです。
今日から取引先の分散、継続提案、スキルアップに取り組み、収入と働き方の不安を少しずつ減らしていきましょう。